こんにちは。今回は、宮城県で漁獲・加工が盛んな“海の恵み”であるなまこが、「密漁」という重大な課題とどう向き合っているか、現場から見えてきた実態をお伝えします。
🌊 影響力のある産地だからこそ――宮城県となまこの深い関係
宮城県の沿岸・三陸エリアでは、冷たい潮流・栄養豊富な海底環境など、なまこが育つ条件が非常に整っています。
そのため、なまこは同県の水産業において高い価値をもつ資源です。
しかしその価値の高さゆえに、「高級食材」「輸出品」「美容・健康素材」としての需要が増えており、それが裏では密漁を誘発する“背景”になっています。
🔍 具体的な密漁の事例と深刻さ
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石巻漁港近くで、許可を得ずに約1,346 kg(時価約545万円相当)のなまこを密漁し、7人が逮捕された事例があります。
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また、2022年12月には宮城県内で2,000個以上のなまこが密漁されたとの報道も。
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県公式サイトでも、あわび・なまこ等が「沿岸域に生息し容易に採捕できることから、密漁の対象とされやすい」資源であると明記されています。
これらの数字は、なまこという資源の 希少性・高価値・脆弱性 を端的に表しています。
🛑 密漁がもたらす影響
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資源枯渇・漁業収入の低下
密漁によって健全な個体数が減少すると、正規漁業に携わる漁師や漁協の収入減に直結します。 -
地域産業・ブランド価値の低下
“宮城産なまこ”の信頼が揺らぐと、輸出先・国内市場両方でブランド的損失につながります。 -
海底環境・生態系への影響
なまこは海底の有機物を処理する“掃除屋”の役割も。過剰採取は海底環境に悪影響を及ぼす可能性があります。
✅ 宮城県・関係機関による対策
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令和2年12月から、「特定水産動植物」(あわび・なまこ・うなぎの稚魚等)を対象とした罰則強化が施行されました。許可なく採捕・流通させた場合、3年以下の懲役または3000万円以下の罰金が科されます。
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関係機関(県警・海上保安部・漁協など)による密漁監視・情報交換・合同巡視が行われています。 pr
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漁師・地域の声:「密漁は死活問題」との声も。地域の誇りを守る活動も活発です。
🗣 私たちにできること
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購入時に「産地・漁獲証明」などの確認を。
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無許可採捕・違法流通の疑いがある場合には通報・情報提供を。
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資源保護への関心を高めることで「持続可能な消費」を選ぶ。
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地元産品を応援し、合法漁業を支える一消費者としての意識を持つ。
✍️ 締めくくり
宮城県のなまこは、地域を支え、海を支え、私たちの食卓や美容・健康まで繋がる貴重な資源です。
その裏にある“密漁”という影の存在を知った今こそ、私たち消費者にも選択の責任があります。
海底からの贈り物を、未来へ受け渡すために。
そのために必要なのは、**「知る」「選ぶ」「守る」**の3ステップです。