不思議な海の生き物「なまこ」とは?

不思議な海の生き物「なまこ」とは?

海辺を歩いていると、砂の上や岩の陰にゴロッと転がっている不思議な生き物――それが「なまこ」です。見た目はちょっと地味で、正直「これって何?」と思う方も多いかもしれません。しかし、実は古来から食材や薬用として親しまれてきた、とても奥の深い存在なんです。


なまこの生態

なまこは棘皮動物(きょくひどうぶつ)の仲間で、ウニやヒトデの親戚にあたります。体は柔らかく細長い円筒形で、海底の砂や泥を食べながら暮らしています。口から砂を吸い込み栄養分だけを消化し残りを排出することで、「海の掃除屋」とも呼ばれています。

 

世界中で愛される高級食材

中国では「海の高麗人参(海参:ハイシェン)」と呼ばれ、古くから珍重されてきました。乾燥なまこ(いわゆる「いりこ」や「きんこ」)は高級食材として取引され、滋養強壮に良いとされています。日本でも三大珍味のひとつ「このわた」は、なまこの腸を塩辛にしたもので、お酒のお供として有名です。


健康や美容への効果

近年、なまこに含まれる栄養成分が注目されています。

      コラーゲン:肌のハリや潤いをサポート

          サポニン:抗酸化作用や免疫力向上が期待される

          ミネラル:カルシウム、マグネシウムなど豊富

このため、食品だけでなく石鹸やスキンケア商品にも応用され、美容・健康アイテムとしての利用も広がっています。


なまこと人との関わり

なまこは単なる食材ではなく、私たちの生活や文化とも深く関わっています。お正月料理の「こはだ」と並んで祝いの席に登場したり、漁村の特産品として地域の経済を支えたりもしています。また、海の環境をきれいに保つ役割も果たしているため、エコロジーの観点からも重要です。

なまこは見た目こそ地味ですが、海の掃除屋として環境に貢献し、高級食材や美容素材としても価値を発揮する多彩な魅力をもつ生き物です。次に海で出会ったときにはぜひ「不思議な海の宝物」としてのなまこの姿を思い浮かべてみてください。


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