不思議な「なまこの呼吸」~海底で静かに生きる生命のリズム~

不思議な「なまこの呼吸」~海底で静かに生きる生命のリズム~

1. 口でもエラでもない?なまこの呼吸法

私たち人間は肺で呼吸し、魚はエラで呼吸します。では、なまこはどうやって酸素を取り入れているのでしょうか?
答えは… お尻(肛門)で呼吸 です。
なまこの体には「呼吸樹(こきゅうじゅ)」と呼ばれる臓器があり、肛門から海水を吸い込み、その中の酸素を取り込む仕組みになっています。


2. 呼吸だけじゃない!驚きの機能

なまこの肛門の役割は呼吸だけではありません。

  • 排泄:もちろん不要物を体外に出す通り道

  • 防御:危険を感じると内臓をお尻から吐き出して敵を驚かせる(自切と呼ばれる防御反応)

  • 共生:一部の小さな魚やエビが肛門から体内に入り、呼吸樹に住みつくことも

まさに「マルチ機能なお尻」と言えるでしょう。


3. 呼吸のリズムと生きる知恵

なまこは呼吸をするために、ゆっくりと海水を吸ったり吐いたりします。そのリズムは一定ではなく、環境(水温や酸素量)によって変化します。
酸素が少ない環境でも生きられるのは、この柔軟な呼吸リズムのおかげです。まさに「省エネ上手」な生き物なのです。


4. 海の生態系における役割

呼吸をしながら砂や泥を取り込み、栄養分を消化し、残りを排出するなまこ。そのおかげで海底はかき混ぜられ、栄養が循環します。呼吸と生活行動が海の環境を整える役割を果たしているのです。


まとめ

なまこの呼吸は「お尻で行う」という驚きの仕組み。呼吸樹による酸素の取り込み、防御や共生まで、シンプルながら多機能な生態が隠されています。
次に海でなまこを見かけたら、その不思議な「呼吸の世界」に思いを馳せてみるのも楽しいかもしれません。

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